[映画レビュー]Barbie(バービー)

レビュー

作品情報🎥

作品名 Barbie(バービー)

監督 グレタ・ガーウィグ

制作国 アメリカ合衆国🇺🇸

配給 ワーナー・ブラーズ

出演者 マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング、ケイト・マッキノン、デュア・リパ他

上映時間 100

日本公開日 20230811日(アメリカ 2023年07月21日)

あらすじ🎥

完璧とは言えない人形であるためにバービーランドから出て行くこととなったバービーとケン。二人は人間が暮らす現実の世界へと自己発見の旅に出ることとなる。(wikipediaより)

予告🌸

感想

アメリカ公開が7月21日(金)だったので、日本より一足先に観てきました。私は翌日22日(土)の午後16時の回に行きました。郊外の映画館で普段は空いているのですが、その日はピンクを着た女子でいっぱいでした!

SNSでもバービーメイクやファッションがトレンドになっていて、映画館でもバービーのポップコーンバケットを販売していたようです。

(twitterより)

私が行った頃には完売していたのでゲットできず。小腹は空いていたので、ピザをゲットしいざ席へ。

こどもは全然見当たらず、隣の席のお姉さんはワイン飲んでました笑。

バービーランドはほぼ全てがピンクで、このセットを作るためにピンクを使い過ぎて世界のピンクペイントが一時的に無くなったりしたらしい。バービーとケンが何十人もいて、アランは一人。人形遊びのように、水などの液体はないしビーチの砂や海の波もプラスチック。自分の持ってた家や車のおもちゃがそのまま映画に出てくるのでテンション上がります。みんな元気でハッピーで毎日が最高の毎日!笑顔が眩しいです。

なんやかんやあって現実世界に行くバービーは、自分の元居た場所との違いに落胆。自分の持ち主と出会って、人間との違いを知って、大きな決断をして、ハッピーエンドです。

こども向けではないなと個人的に思いました!細かいあらすじと感想は下の「ネタばれ」に書くので気になる方はこのまま下へスクロールしてください。

⚠ネタばれ⚠

「2001年宇宙の旅」の原始人シーンからはじまる本作品。原始人は人形で遊ぶ女子たち。大女優ヘレン・ミレンのナレーションが入ります。50年代の人形は赤ちゃんの人形ばかりで、おままごとが主流の遊び。小さい頃から家事や育児を刷り込まれているこどもたち。そこへ、モノリスのように白と黒の水着を着たバービーが登場。これからはティーンエイジャーの人形の時代。武器を得た原始人のように女の子たちは進化します。

様々な職業、見た目をしたバービーが次々に登場。バービーたちは自分たちが女子たちに夢と希望を与え、バービーランドと同じように現実世界でも女の子が自由に生き生きと暮らしていると思っています。

バービーランドではみんな同じ時間に起きて、歯を磨いて、着替えて、朝食を食べ、ビーチに行ったり、楽しい事をします。

プールの水は液体ではないし、シャワーの水は出ない。牛乳はパックから出ないしワッフルもおもちゃ。階段はあるけど使わずに、下へゆっくりと落ちていくだけ。砂浜も海の波もプラスチック。家も私たちが子供のころに見た事のある、または所有していたおもちゃです。私たちがバービーでどう遊ぶかが、バービーの人生にも影響を与えるのです。

すべてのアイテムがカワイイバービーの世界。十人バービーがいれば、みんな名前がバービーだけど職業が違う。大統領だったり、ノーベル賞を受賞する科学者、政治家、看護やリポーター、みんなバービー!ややこしいので、このレビュー内ではマーゴット・ロビー演じるバービーは主人公バービーと呼びます。

ケンも沢山いました。疲れるくらいにいました。そしてみんな同じ性格。バービーに挨拶されないとその日が始まらないのがケン。ライアン・ゴズリングの演じるケンメイン・ケンと呼びましょう。

バービーにかっこいいところを見せようと海に向かって走りますが、派手にコケます。看護師バービーと主人公バービーに助けられます。

今夜、家に行ってもいいかと主人公バービーに聞くメイン・ケン。しかし夜は主人公バービーの家でダンスの振付を練習が行われるため、断られますが、結局みんなが集まるパーティーになります。

完璧な振付で踊るバービーとケン達。スパンコールが沢山ついているドレスやパンツスーツを着る個性豊かなバービーたちに対して、ケン達は全員白のスーツ。それでも主人公バービーの気を引こうとメイン・ケンはダンスを頑張ります。そんな中、突然主人公バービー「死にたいと思った事はない?」と言ってしまいます。他のバービーやケンはショックを受け、音楽すら止まります。咄嗟に誤魔化して、その場は丸く収まりますが、主人公バービーは違和感を感じます。

次の日の朝。いつもとは違って朝から何も上手くいかない主人公バービー。ついには足がつま先立ちではなく、普通の平行足になってしまいます。

この緊急事態に、他のバービーから、変てこバービーに会いに行くようにアドバイスされます。髪はボロボロ、奇妙な服装とメイクをした変てこバービーは他のバービーから距離を置かれています。

丘の上に住んでいる変てこバービーに会いに行くと、現実世界とバービーランドが繋がってしまったことを知らされます。現実世界に住んでいる主人公バービーの持ち主に何らかの感情の変化があって、二つの世界が交わってしまったのとのこと。セルライトができたり、鬱になったりと十代から女性が気にし始めることを指摘しながらこれから起こりうる大惨事を、持ち主に会って悩みを解決すれば主人公バービーも元に戻れると言われます。

ちなみにベトナムで公開が中止されるほどの騒ぎに発展した、例の世界地図ですが正直言ってこどもの落書きにしか見えなかったしなんなら色んな国が省かれてたり変な形で書かれていました。

現実世界に行くか、バービーランドに残るかを「マトリックス」のように決めさせます。ここではハイヒールビルケンシュトックのサンダルです笑

みんなに見送られながら現実世界へと行く主人公バービーの車に忍び込むメイン・ケン。少し嫌がりますが結局二人で現実世界へ行きます。

行くのはとっても簡単。に乗って、自転車をこいで、ボートに乗って、キャンプをして、スキーをして、最後にローラーブレードロサンゼルスのビーチに着きます。帰りはこの逆をすれば大丈夫!

さて、現実世界に着いた二人は早速違和感を感じます。視線を集めるのは当然ですが、女性からは笑われ男性からは上から下まで見られて外見を変な風に褒められます。こんなことが初めての主人公バービーは自分がどんな感情を抱いているかさえわかりません。いつも優しくて気分を良くしてくれる女性たちがいる場所として主人公バービーが真っ先に向かったのは工事現場。なのにそこには男性しかいなくて、なんだか意地悪。挙句の果てには、知らない人にお尻を触られます。咄嗟にパンチをしてしまったために主人公バービーメイン・ケン警察に連行されます。

目立ってしまう服装をしているため、着替えようと思った二人はお店からお金を払わずに出てきてしまい、また警察に捕まります。バービーランドにはお金なんてないですからね。解放され、途方に暮れた主人公バービーは目を閉じて集中することで自分の持ち主がどこにいるのかを考えようとします。メイン・ケンはそわそわして主人公バービーに話し続ける為、散歩してきて!と言われます。歩き続けたメイン・ケンが見たのは、男性が中心の世界。お金・車・馬・ゴルフ・権力。バービーランドにいるケン達にはないものがここに全て揃っています。

目を閉じた主人公バービーは、自分の持ち主の顔をが見えました。誰かと遊んでいたりして幸せそうです。そしてなんだかよくわからない、温かいような気持になって気づいたら涙を流しています。

そして自分の隣に目を向けると、高齢の女性が座っています。主人公バービーは「美しいですね」と声をかけ、女性は笑顔になります。

新しい文化に感化されたメイン・ケン主人公バービーに話そうとしますが、持ち主の手掛かりが学校にあると言った主人公バービーを一緒に学校へ向かいます。そこで図書館へ行き、家父長制や男性の権力、馬などの本を見つけます。

一方、主人公バービーは自分の持ち主を見つけますが、彼女はもう中学生。5歳の時から遊んでいない、あなたは非現実的なボディーイメージを植え付けて多くの女子を苦しめているなどと散々言われ、遂に泣いてしまいます。しかし今度は違った涙、とても辛くて自分がわからなくなるような気持ちです。

現実世界にいることを、FBIとバービーの大元であるマテル社が気づき、主人公バービーをバービーランドに連れ戻そうと必死になります。過去にもバービーが現実世界に来たことがあったようです。

主人公バービー持ち主のお母さんは、実はマテル社の従業員。思春期の娘と上手くいっていません。バービーの絵を無意識に描いていますが、自分の気持ちや不安をなんとなく一緒に描いてしまいます。あるバービーが現実世界に来てしまった事が聞えてしまって気にしています。

そして主人公バービーの居場所がつかめたマテル社は早速学校へ主人公バービー”迎え”に行きます。マテル社が来たと知り安心して車に乗る主人公バービーメイン・ケンはどうしていいかわからず、結局自分のした発見を伝えようとバービーランドに帰ってしまいます。娘を迎えに来たお母さんは偶然、マテル社の車に主人公バービーが乗り込む姿をみてしまいます。居ても立ってもいられず、娘を連れたまま車を追います。

マテル社に着いた主人公バービーは、女性CEOと話がしたいと言います。しかし、重要な立場の女性は一人もおらず、歴代2人しか女性CEOがいなかったと知らされます。男性CEOからは、箱に入れば元の場所に戻れると言われ自ら入っていきますが、やっぱりメイン・ケンも一緒がいいと希望。男性CEOからは、メイン・ケンは大事じゃないからいらないと言われます。違和感を感じ、トイレに行きたいと嘘をつき脱出します。

脱出の中で、バービーの生みの親ルース・ハンドラーに出会います。この時点では名乗ってはもらえませんが、何か特別な感情が沸いてきます。かくまってもらい、無事に建物から出ることができます。そしてタイミングよく、持ち主親子が登場。車に乗り込み、逃走します。

上手くマテル社を巻いてる間に、主人公バービー感情を持たせてしまったのは、お母さんの絵だと判明。昔娘と遊んでいたのが懐かしかったそうで、自分で遊んだりしていたのです。そこで、バービーランドに一緒に行けば解決するのではないかと主人公バービーが提案し、三人で行くことになります。

その少しあとにマテル社もバービーランドに向かいます。

いかにバービーランドが素敵で、女性の扱いが全然違うことを意気揚々を話す主人公バービー。持ち主親子も期待しながら行きますが、バービーランドは豹変していました。大事な役職、なんならほぼすべての職業がケンのもの。大統領バービーはビーチでお酒を配っていて、ケンが大統領。洗脳されたかのように、バービー達は考えることさえやめてしまったようで、家事をしたり、ケンのお世話をしています。綺麗だったバービーハウスは、馬の絵や毛皮、サッカーなどのスポーツ関連で飾りつけされています。主人公バービーの家は、メイン・ケンが乗っ取り、ケンのモジョ・ドウジョウ・カサ・ハウスと名付けられてしまいます。そしてバービーランドであった変化は現実でも起こってしまうため、同じ商品名のおもちゃが爆売れしたそうです笑

何があったのかをメイン・ケンに問い詰める主人公バービーですが、現実世界の男に感化されたメイン・ケンはもうここはバービーランドじゃないなどと言い、主人公バービーを家から追い出します。遂に主人公バービーは気力を無くし、持ち主親子までもを責めますが結局力尽きて寝転んでしまいます。

どうしていいかわからない主人公親子は現実世界へ帰るしかないと思い出て行こうとします。しかし、今までずっとお母さんにも主人公バービーに対しても冷たかった娘が主人公バービーとバービーランドを救おうと言い出します。

二人は変てこバービーと手を組んで、主人公バービーを立ち直らせようとします。過去に販売中止になったバービー達はケン達にまだ洗脳されていないようです。時間もありません、あと数日でケン達の法律が制定されてしまいます。そこでお母さんは主人公バービーを元気づけようとスピーチをします。これで勇気づけられた主人公バービー。同じように他のバービー達にお母さんの話を聞かせれば洗脳も解けるのではないかということで、計画を立てます。ケンが近くにいると無理なので、一人一人誘拐することにします。ちなみにケンの”友達”であるアランもバービー達の味方です。

そしてついにバービー全員が洗脳から解放されました。残るはピンクハウス。そこを取り戻せば法律も全て元に戻せる。しかし結束の強いケン達からどう奪い返すのか?そう、彼らを対立させればいい。それに明日はケン達の法律が制定されてしまう日だ。

対立させるには、デートに行き、デート中にほかのケンとイチャイチャするというとんでもない計画なのですがこれが上手くいき、メイン・ケン派とシム・リウが演じるケン派がビーチで大合戦。法律が制定されるという大事な日なのに、ミュージカルあり殴り合いありの大喧嘩。結局、思い出した頃にはもうバービー達が全てを元に戻していました。

自分の過ちに気づき、結局ケン達は正気に戻ります。バービー達とともにバービーランドでのハッピーな毎日。メイン・ケン主人公バービーに気持ちを打ち明け、一緒に住みたいとまで言いますが主人公バービーはそんなつもりありません。

もうハッピーエンドの雰囲気です。主人公親子は、娘がお母さんにもっと優しくなります。ようやくバービーランドに着いたマテル社に、お母さんはもっと普通の女性バービーを作って欲しいと提案し、承諾されます。

じゃあ主人公バービーは?彼女自身も何を望んでいるのかわかりません。そこでルース・ハンドラーが登場します。二人で話をしようと歩き出します。

そこで、自分の正体を明かしたルース・ハンドラーは人間とは、女性とは何かを主人公バービーに見せて感じさせます。三度目の涙を流す主人公バービーは、人間になりたいと決意。自分の創造者によって人間界に送られます。

ラストシーン。持ち主家族と車に乗っている主人公バービーは、面接に行くような恰好をしています。大丈夫だ、上手くいくよと勇気づけられながら着いたのは大きなビル。ヒールではなく、ビルケンシュトックのサンダルを履いた主人公バービーは受付へと歩きます

受付「お名前は?」

主人公バービー「ルース・ハンドラーです」

受付「ご用件は?」

ルース「婦人科の検診を受けに来ました」

終わり

⚠ネタばれ有り感想⚠

バービーが輝いているうちはよかったんですが、悩み始めて、セルライトや鬱、失恋、他人からのコメントとか現実的な問題にぶつかるのがなんだか辛かったです。大人向けなのはわかっていたので覚悟はしていたのですが、ハッピーなバービーなままでいて欲しかったなと。

そしてケンがしつこい。どのケンもみんな同じでなんだかウザい。バービーがいないと生きていけないっていうのも、豹変してバービーを下に見るのも全部嫌でした。家父長制って単語が5回以上出てくるのもしつこかった。

ケン達の顔と首のファンデの色が時々違っていて、演出なのか私の目が変なのかわかりませんが面白かったです。まさかライアン・ゴズリングが歌う姿をみるとは思わなかったのですが、パロディっぽくて良かった。でも彼を歌わせるのならマーゴットも歌うか、女子にもミュージカルぽいこともして欲しかった。「ダイヤモンドは女の親友」とかぴったりだと思います。

多様性とか平等とかフェミニズム感が満載といわれてたけど、そんなには感じられませんでした。強いて言うなら、アジア系のバービーが圧倒的に少なかった

ザック・スナイダーやクエンティン・タランティーノなどのパロディやディスりもあって私含め観客は爆笑。女性あるある満載で、クスッとなったり、見ててつらくなったりと感情のジェットコースターでした。

衣装がとにかく可愛い。普段あまりピンクを着ない私でも欲しくなりました。時折でてくるシャネルのアイテムとか、女子心にグサッと来ました。CGは一切使っていないそうで、セットとかバービーランドと現実世界への移動シーンも昔ながらって感じがしてすごく良い。

マーゴット・ロビーは適役で、まさにこのために生まれてきたって感じ。洗脳を解くためのスピーチの中で、見た目に関することを言いますがナレーターが「マーゴット・ロビーの見た目じゃ説得力ないですね」って突っ込んだので、空気が軽くなってみんな笑ってました。

ちなみに何度か登場したバービーの生みの親、ルース・ハンドラーは残念ながらご本人様ではないです。2002年に亡くられています。彼女もこの映画か気に入ると思います。ラストでバービーと話したり、バービーが人間になりたいと願い、ルースさんの名前を使うのもとても良い演出だなと思いました。

この映画は、女性の立場とか気持ちをバービーという誰もが知ってるおもちゃを通してシンプルに伝えてくるんですよね。あの矛盾した気持ちとか、自信のなさとか、自分の無力さとか。わかっていても他人に言わないようなことを、あの大画面でこうだよねっていい感じのジョークにして言ってくれる。確かにバービーがいたから、体型とか顔とか見た目を気にする時もあったけど、自分の子供時代を共にしたおもちゃには変わりないっていうのを綺麗にまとめたって感じです。

総合評価は星三つ!楽しかったのでDVD出たら買いたいです笑

終わり

映画で流れる曲の和訳もしたのでぜひ見てください🌸

Speed Drive – Charli XCX

 

Dance the night – Dua Lipa

what was i made for? – Billie Eilish

Barbie World – Ice Spice & Nicki Minaj

 

Have a wonderful day ❤️

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